畑萬陶苑のこだわり

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「筆運び」

生きた線、精緻な筆づかい

面相筆による細密な線描きと濃み筆で塗りうめていく卓越した絵付け。畑萬の器は、伝統工芸士をはじめとする熟練した職人の技で一つ一つ丁寧に描かれています。葉一枚の葉脈の線にも気を使い、抑揚でごまかさない一本の正確な線を志すとともに、絵の具の濃淡や筆使いにより美しいグラデーションをも生み出します。

「色取り」

鍋島の伝統を受け継ぐ色彩バランス

本焼成前の素焼き生地に施す、呉須染付と呼ばれるコバルトブルーに発色する下絵付けと、本焼成後の白い生地の上に赤、黄、緑を使って描く上絵付け。華美になりすぎない絶妙な配色と色量こそが伊万里鍋島焼の伝統です。ガラス質の釉薬を挟み、層を成すことで生まれる立体感のある表現の可能性を追求しています。

「かたち」

品格のある形状と道具としての設え

凛とした佇まいの器は、日々の生活に品格を与える道具となります。人の手になじみ、使いやすく、生活空間での装いまでを考えた器。畑萬では、伊万里鍋島焼の特徴である絵付けの艶やかさに相対した器のかたちを追求し、伏せ焼きにするなどの手間暇を惜しまない製法で、こだわりの形状を実現しています。

「白さ」

鍋島の色彩を美しく見せる白い素地

畑萬では、艶やかな伊万里鍋島焼の絵付けを際立たせるため、素地の白さにもこだわっています。天草陶石の中でも高品質の天然陶土を用い、窯入れから窯出しまで24時間、1,320度にも達する高温の還元焼成を行うことで生まれる透明感のある白い肌合いの磁器は、光を通すような薄さで、白さを際立たせる畑萬の創意です。

「絵組み」

余白を活かした構図と奥行きの表現

白い素地の美しさを活かし、花鳥や景色を日本画のように抽象化して描いてきた伊万里鍋島焼。器をキャンバスに見立て、絶妙な配置で構図を決め、余白の美を大切に、さまざまな紋様を器に宿します。畑萬では、伊万里鍋島焼の伝統的な意匠を継承しつつ、新たなデザインも積極的に取り入れた作品づくりを目指しています。

「挑み」

素材、技法、美への飽くなき探究心

400年におよぶ歴史ある伊万里鍋島焼。その伝統的な製法に甘んずることなく、求められる要望に果敢に挑んできた先達の職人の志を受け継ぐ畑萬では、香水瓶のような高精度の加工による新商品開発、新しい素材や製造プロセスの採用、国内外のクリエイターとの協働など、これまでにない新たなものづくりにも挑戦しています。

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